スニーカーのソール修理を
専門家が詳しく説明


ソール補強修理の【疑問】を
プロの目線で解説します!
 





【目次】

【1】スニーカーソールは修理するよう作られてない


【2】修理して履くという意識も浸透していない

【3】貼り付けるゴムの厚みは?

【4】どんな色のゴムがあるの?

【5】補強ゴムの選び方(まとめ)

【カカト強化ゴムの耐久性検証(なかじま調べ)】

【6】ゴムの貼り方はどんな感じ?


【7】どのタイミングで貼ればいいの?

【8】貼ったゴム、その後のメンテナンスは?






スニーカーソールは修理するように作られていない 



大前提としてスニーカーソールは「修理するように」出来ておらず

カカトが斜めに減ってしまうと、キレイに修理するのが難しいです



どうしても目立ってしまいます・・


すり減った部分にスポンジを足しても、いかにも「付け足した感じ」になっちゃいます


 
Rick Owensは比較的キレイに直りますが・・


なので、すり減ってしまう前に「なるべく早め」にソール全体に「ゴムを貼ること」をオススメしています

そうすれば貼ったゴムが「ソールの代わり」に減ってくれ、それを貼り替えていけば

「ずっとキレイに履いていけんじゃね?」

という履き方のご提案です






スニーカーは修理して履くという意識も浸透していない 



さて、スニーカーソールは「修理する」という概念自体がまだまだ浸透しておらず、深く考えずにそのまま履いてしまい

●ふと気づくとカカトから水が染みてくる・・
●なんだか底に石が入ってカラカラ音がする・・

ということがよく起こります

そこで慌てて修理してくれるお店を探しても

●門前払いのお店が多い・・
●やっと見つけても仕上がりがイマイチ・・
 

だったりして「この靴、高かったのになぁ・・」なんてなりがち。





そのまま捨てるに捨てられず下駄箱の中で何年も・・
なんて経験ありませんか?

「ちょっとこれ、いつまで置いとくの?」

なんて言われたりして(^^)





そうなってしまわないように

「新しいうちにすり減りを予防しときましょう」

というのがこの修理の位置づけです

・気に入っててこれからも永く履いていきたい・・
・以前からずっと欲しくて思い切って買った・・
・大事な人からプレゼントでいただいた・・

なんてスニーカーは貼っておきましょう!(^^)






ソールに貼るゴムの厚みは?     



じゃあどんなゴムを貼ればいいの?
という疑問ですが・・

まずはゴムの厚み!

よく使用する「クレープゴム」には4ミリ厚と6ミリ厚があります
(スカルソールは4ミリ厚、342ソールは6.5ミリ厚です)

クレープゴムです↓


※当店使用のクレープゴムは生ゴムではなく合成ゴムで、ベタついたり溶けたりしません
(正式名称:新クレープ板、ニュークレープなど)



ゴムが薄いと「貼ってる感」が少なくオリジナルに近い履き心地ですが

●減るのが早い
●ソールの淵が地面に当たりやすい
●つまづいた時つま先が剥がれやすい
 

という欠点もあります


厚いのはこの逆ですね、さらに靴が少し重たくなります

また、女性の脚力に6ミリ厚は「靴が曲がりにくくなった」と感じることもあるようです

※ビブラム342ソールは厚めでも曲がりやすいです



スニーカーソールは、カカトがよく減りますが前の方はあまり減りません

カカトを数回【部分貼替え】しても「前の方は全然大丈夫」ということもよくあります

そこでよく減るカカト対策として「カカト強化」することも可能です





そのカカト強化によく使っているのが

●ミシュランヒール(6ミリ)
●タフZ(7ミリ)
 

の2種類のカカトゴムです

最近はこの「カカト強化」を、最初から実施する事例が増えています





いろいろあり、わかりにくいので(^^)
ゴムの強度をまとめておきますと・・

全体に貼るゴムは(左から強い順)

ビブラム342ソール(6.5ミリ)>クレープ6ミリ>ビブラムスカルソール(4ミリ)>クレープ4ミリ

※342ソールはギザギザのソールです

カカトゴムは

タフZ(7ミリ)>ミシュランヒール(6ミリ)>クレープ6ミリ

という感じです



スニーカーソールに貼るゴムの色は?



ソールに貼り付けるゴムの色ですが・・

クレープゴムには黒、白、こげ茶、アメ色があります

スカルソールは黒黒をよく使っていますが、ドクロ部分だけ白いものや、他にも色々あります

342ソールは白と黒の2色展開ですが、別注品の赤やアメ色を在庫していることもあります





で、どうするか迷うと思うのですが

「特にコダワリがなければ黒いゴム」

がオススメです





最大の理由は、汚れが目立たないことです

白や明るいのゴムはその汚れがモロにわかり、多くの方が気になるようです

明るい色は仕上げたときはキレイですが、履いていく中で汚れていくことをご理解ください





次に、黒は同じ色でカカトを強化できます

こげ茶やベージュも同じ色系統で強化できますが、ゴムにより微妙に色の違いが出ます

※ベージュは特に色の違いが顕著です

白はヒールゴム自体が(今のところ)なく、強化するとカカトだけまったく色が変わってしまいます





スカルソールの青や緑なども、やはりカカト強化の際に色の違いが出ます

ご注意ください





では前のほうに貼っているのと同じゴムでカカト貼替えをすれば「仕上がりもキレイでは?」という意見もあると思います

でもそれだと減りが早い!





クレープやスカルなど「ソール全体に貼るゴム」は柔らかいので、カカトゴムとしては耐久性が足りません

なので見た目はキレイに仕上がりますが、貼替えのサイクルが短くなってしまいます

ここは

耐久性を取るか?
見た目を取るか?


の選択ですね



ソール補強ゴムの選び方  (まとめ)  



では【まとめ】です(^^)

まず基本になるのがクレープゴムで、このゴムを全体に貼るのが定番です
(アスファルトのようなボコボコ模様のゴム)







厚みは4ミリと6ミリがあり

●オリジナルに近い見た目と履き心地なら→4ミリ
●とにかく耐久性を求めるなら→6ミリ
 

となります


カカトを強化する場合は(最近増えてます!)

●とにかく耐久性!なら→タフZ(7ミリ)
●耐久性&価格のバランスなら→ミシュランヒール(6ミリ)








補強ゴムの見た目にこだわる場合・・


●遊び心が欲しいなら→スカルソール




ギザギザのソールにしたいなら→ビブラム342ソール




ルブタンなど赤いゴムなら→ビブラム赤ゴムなど・・




となります


全体の考え方として

耐久性を高くして修理頻度をおさえたいなら、黒いゴムを選ぶのが得策です

見た目を重視して色んなカラーのゴムにすると、料金が高くなったり、耐久性が犠牲になる場合もあります





【実際に自身スニーカ−でカカトゴム強度検証】

  • 実際になかじまが自分のスニーカーで減り具合を検証しました

    その結果・・

    タフZは240万歩ほど履けました
    (1万歩/日×週6日使用なら、40週間)





    ミシュランは144万歩ほど履けました
    (1万歩/日×週6日使用なら、24週間)





    342ソールのカカト部分は72万歩ほどでした
    (1万歩/日×週6日なら、12週間)





    つまり・・

    タフZの強度はミシュランヒールの1.6倍程度

    ミシュランヒールは342ソールの2倍程度

    の耐久性ということになります

    ※あくまで私個人の使用での検証です



補強ゴムの貼り方はどんな感じ?  



ゴムの貼り方についてですが、基本的には「ソールの淵より数ミリ内側のラインで貼る」ことにしています

淵ギリギリまで貼ると、見た目があまり美しくないからです





実際に淵まで貼った靴を時々見かけますが、どれもいまいち・・

ソールの「側面ごと」ツライチで削ればキレイに面が整うのですが

●側面の光沢がなくなってザラザラになる・・
●側面の模様が消えてしまう・・
●ソール側面の色が変わってしまう・・
●質感が安っぽくなる・・
    

と問題しか思いつきません(^^)

なので、今のところは「数ミリ内側に貼る」で定着しています


アディダスのスタンスミスはソール下部が丸く内側に入っていますので
淵に沿ってゴムを貼っても「少し内側のライン」のような仕上がりになります




また、靴は上から見下ろすことが多いので、視線の角度が斜め上からになり「貼ったゴムが見えにくい」という効果も狙っています

しかも黒いゴムなら「影」に見えるかもしれません

普通はパッと見て違和感がなかったら、なかなか二度見しませんよね

ジロジロ見てくるのはマニアか修理屋ぐらいです(^^)






どのタイミングでゴムを貼ればいいの?



ゴムを貼るタイミングですが「貼るならなるべく早く!」が鉄則です





カカトが磨り減ってからでも貼れますが・・

高さを戻さないといけないほど減っていると、どうしても付け足した感じの仕上がりになってしまいます

この「付け足した感じ」を避けるためにゴムを貼るので、なるべく早めがGOODですね



貼ったゴム、その後のメンテナンスは?



貼った補強ゴムは歩けばすり減りますので、定期的なメンテナンスが必要です

減りやすいのはカカトとつま先ですが、どちらも部分的な貼替えができてコスパもいいですよ





全体にゴムを貼っている場合でも、部分的にカットして貼り替えていきます

その際に同じゴムを選んでもいいですし、もっと強いゴムを選んでもいいですね





そうやって部分貼替えをしながら、ソールの真ん中が減ってきたら全体貼替えです

ただ、真ん中あたりはなかなか減りませんので、貼替えは数年先になることが多いです






ざっとこんな感じですが・・

どうですか?貼りたくなってきました〜??(^^)

では、まずはお問い合わせ下さいね〜〜




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